不可能を可能に

昨年は、一級造園技能士と二級土木施工管理技士の合格通知がそれぞれ届きました。私にとっては、一級技能士の合格がこのうえなく嬉しく「やったー!」と思わず大声を出してしまいました。二十世紀最大のとってもハッピーな年でした。

宇梶 正徳

一級造園技能検定試験の体験について書きたいと思います。試験の内容は、実技試験(要素試験含む)、学科試験の二種類ですが、要素試験は特異なため実質三種類といえます。この中でも一番つらかったのは実技試験でした。真夏の太陽の下で猛暑の中、時間内に図面の通りに、作業しなければならないのです。採点方法は、三時間以内に完成しなければ、時間を追うごとに減点、施工方法、仕様などに誤りが有れば減点、そして、作業態度に欠点が有れば減点されてしまうと言う非常に厳しいものです。暑い中、時間に追われながら、完成するまで休憩も出来ず、作業を続行させることが本当に大変だった。辛抱し、集中力を持続することが大切だ。

私は、最初上がり気味で試験開始直前に手箒を忘れていることに気がつきあわてて検定員に「ストップ」と合図をしてしまいました。見回したらすぐ背後に置いてあり肝を潰しました。持参工具を忘れると借りることが出来ないので減点につながってしまいます。試験前は時間に余裕を持って、心の準備をしたり、施工手順のイメージトレーニングをしたり、複数回の工具点検など十分行う事が大切だと痛感しました。そんなこんなでしたが、時間内に無事完成することが出来ました。

続いての関門は、私が一番苦手としているところの要素試験でした。樹木の枝と葉の部分を見て樹種名を判定するのです。類似種が多く図鑑などを見ても大きさがわからず十分理解することは出来ませんでした。そこで、実物の樹木にライターを添え写真に撮り、大きさ、色、特徴をつかみ、さらに図鑑と見合わせ反復学習しました。本番では、何とか自信を持って回答することが出来ました。

私は、耳が不自由で講習から実技練習、そして試験本番まで本当にたくさんの方にお世話になりました。丁寧に技術指導して下さった指導員の皆さん、受験を可能にしてくれた手話通訳の皆さん、一生懸命応援してくれた会社の皆、本当に有り難うございました。念願の試験に合格し後輩に「おまえも挑戦しろよ!」と胸を張って言えました。

私の亡き父の口癖で、「あなたなら出来る、不可能は可能である。」この言葉はいつも心の中にあります。自信を持って困難を乗り越え成功につなげていくのです。

 

株式会社奥原造園
宇梶 正徳

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